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 スポーツを観ていて、人はなぜ楽しいと感じているのか?これを数値化できれば、ええ心理学者になれるかもしれない、とおもった大学時代。だって体育大学なんてのには入れる可能性すらないボクが、赤の他人のするスポーツを観て楽しいと感じるのだから。そこにはなにかがあるはずだとおもった。


  職業としてスポーツを撮影するようになって、ふとおもうのが。ズルをすれば勝てるのがスポーツ。ルールがなければ体格がよく強くずるいものが勝つということ、高速のシャッターで切るとズルもばれてしまう。しかし、それも楽しいとおもうのがスポーツファンだろう、ワンバウンドした球を直接取ったかのようにミセカケル技。


  リレー種目はウサイン・ボルト選手を10人集めても、だからといって勝てるスポーツでもない。ソーシャルローフィング・social loafingするやつがいるからだ。だから人はおもろい、とおもうんだろう。人からひとへバトンを渡す、そのシーンがたまらなくイイと言う人もいる。前に待ってる人がいるから、いくら自分が走るのが遅くても、なげだせない、と。そうだ待っている人がいるから、リレーは楽しいんだろう。


  不思議なデータがある。個々人のもちタイムでは、負けるのに勝ってしまうのがリレーだと。しかももちタイム合計よりも早いタイムで。誰かが空を飛んだのか。 ひとりで完結する物語などない。誰かに手伝ってもらってこそのストーリーなのだ。


  例えば隣のレーンがバトン渡した瞬間に斜めに走りこみ、第一レーン走者を妨害する。そうすればインをとれてしまう。それも当事者たちは解っている、だからホントに勝ったとは喜べないのだ。 バトンを渡そうとしてつまずきながら、渡した瞬間つんのめり地べたを叩く。バトンが手から離れた瞬間、あぁと顔がゆがむ。


  そんな姿をみせられたおりには、大事な人へのバトンははなしちゃだめだ、と。震災以降涙腺のゆるくなった目で、ファインダーが曇ってしまう。 リレーでなんで俺は最後尾を走っているんだろう、なんておもうやつはアホだ。自分の仲間たちが遅かったわけではない。トラップにかけられた結果かもしれない、とにかく前にも信頼できる仲間はいるのだ。そうおもい走る、ただそれだけ。


  それを、誰が観ても楽しいとおもうのはなぜかを、みんなも考えて欲しい。観ている人は解っているのだ、勝者はあなただと。人間ひとりで生きてるわけでない。誰かが観ている、あんたの走っている姿を。2012.09.22@体育会 サンプラザ中野くん爆風スランプ「Runner」を聴きながら

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