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 震災のあと、たくさんのお店がお商売をたたんだままだった。そんななか、再度みせを開いたところに足を運ぶと、1995年1月17日以前のものがそこにあるような気持ちでただ嬉しかった。


「地震などなかったのだ」と言い聞かせるような、もう一人の自分が居ることに。


「大切なものを失いすぎた」ために。ただこれまでのお店がそこに存在している、それだけで違う次元に居る気持ちになるのだ。それほど阪神淡路大震災を経験したものにとって1.17以前と以降では世界観が違うのだ。


  私にとってなによりも強くそれを感じるのが、震災の約2カ月後に営業再開したハーバーランドにある阪急百貨店だった。大切な先輩がこのデパートに勤めていた。ここ神戸に阪急百貨店を1992年にオープンさせた後、亡くなられた先輩だ。


「相手はおまえを怒らせるために、失礼な事言ってくるんや。それに素直に反応してたら、疲れるだけやでぇ」と、若い私をたしなめて、こころから心配してくれていた先輩だ。おおらかで、物事に動じず、正道を行くような。


  そして雨の日のデートに、正々堂々と傘を忘れてゆくような、そんな先輩に憧れていた。彼女はそれを微笑みながら、ボクに話してくれました。


  地震後、お店が変わりにかわっていったKOBEの町から、地震前からあったお店がまた幕を閉じた。あぁ、これで私もハーバーランドに行かなければならない用事はなくなった。人には大切にしている空間がある。そんなことなどお構いなしかよ。


 大切な場所が永遠に存在するとは限らない。この日本だって消え去ることもある、それを観てみぬ ふりで生きているのがボクたちだ。当たり前だったことがいまさらながら。2012.3.11記。Christopher Cross「Sailing」を聴きながら@KOBE

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