我が家では毎年同じところへ必ず行こうと決めている。それが和歌山だ。山ばかりの和歌山だから癒されるし、行程がそこそこかかる、そこがええ。海を巡る旅をした気分に近場でもなれる。好きな町でいい気分になり、すこしは好きな土地にお金をおとし、それでええんです。神戸の震災の時も、えらいなか来ていただいて、お金を落としてくださった人がいるから、助かった人も居るんですから。


　 和歌山は温泉地が豊富にあるので、温泉好きの一家としては嬉しい。ここ5年間ほどは、帰るのも忘れると言う洞窟温泉のある「うらしま温泉」に泊まっている。子どもは太郎気分で亀にまたがり色んな温泉巡りができるのが楽しいらしい。しかし2011年はおあづけだった。


　 9月1日太平洋高気圧に進路を阻まれた台風12号は、ののろのろと大雨の被害を奈良・和歌山に。熊野川が氾濫し、和歌山県はわやだった。鉄道や道路も寸断された。東京のニュースはどうでもええほどながれるが、同じ関西といえども和歌山の鉄道がどうなって、道路の復旧がどうなっているか？なんてのはわからない。へんな世の中だ。


　 またえらい人が考えた電源開発のダムは、放水を間違えて和歌山県に甚大な被害をもたらしたとも言われている。ほんと大きな権力・電気を扱う人はほんとにプロなのだろうか？だれか検証して欲しい。


　 和歌山出身の友人から「いまJRが和歌山行くのに安い切符を売り出してるよ」と教えられて、ＪＲ紀勢線が全線開通 してるのをはじめて知った、一般の人が「知ってる」なんてそんなもんである。情報化社会なんて言ってるわりにはJRの駅に和歌山のどこらへんが不通 区間なのかすら掲示してなかった。 知らずに券売機で新宮まで買った人はどうなるん？　人が売っていれば「あ、不通 区間です」となるが。


　 不便を強いられているのが善良なる民である。まぁ、そんなもんである。 「知らなかったあなたが悪い、だまされたあなたが悪い自己責任」という勝手な言葉で片づけられる恐ろしい世の中に成りさがったのだ。


　 車窓から和歌山の川をみてると、今はおだやか。だがおどろきは橋桁に倒木が突き刺さっていたりする。そこまで水位 があがったということ。それを写真なんかでみせつけて、ダムが必要だ！とプロパガンダ。 一昔まえまではもっと情報がなかったからそう言われたら、そうだなぁとふつうはおもったんだろうなぁ。


　 だけど作ったダムのせいで、被害が増大したなんて話しにもならんよなぁ。税金を使って民を苦しめる。こんなことよく今まで推進してきたよなぁ、専門家というのはてめえの懐の金の計算以外なにもできない、責任もとらない。困った人たちだ。


　 からすに頭でもつつかれればええんである。


　 唖然。那智の滝の姿も、変わり果てていた。道路は滑り落ち、それを整備していた。「自然のなさること、人の手に負えない。それでもここの人は生きて来た。」と自慢された。生きるとは、そんなもん。2012.3.4＠松任谷由実さん「春よ、来い」を聴きながら。