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「不思議やなぁ、汚い海水すいながら水きれいにして、そしてキレイな真珠できるんやろ。」兵庫運河はボクが子どもの頃は、運河にぷかぷか浮かぶ木材に乗っかっているおじさんたちを不思議そうに観ていた所だ。そして、このおじさんが海に転げ落ちるのだ。子どもたちは、もちろん大笑い。タグボートや小型船が少なくなり、木材もぷかぷかしなくなり、人もぷかぷかしなくなり、そして笑いもなくなった。


 今ではそうした光景は消え、日本でも最大級の運河だけが横たわっている。そして一時は排水でよどみ、ヘドロの運河なんて汚名で呼ばれていたことも。それも時代と共に、美しくしようという人が現れ少しはきれいになった。時代はいつも、こうしたおもいのある人が活躍する。運河を造り、それを育て、そしてきれいにする。ここは社会科の教科書にでてきた平清盛が中国宋と貿易した港・大輪田泊( おおわだのとまり)でもある。なぜか悪人のように描かれている平清盛もここに眠る。そして神戸は真珠の街でもある。


「汚いなぁ。なんで自転車、運河に投げてるんやろ。もったいないなぁ」ボクが子どもの頃自転車がなくなるという事は重大事件であった。友の自転車を探しまわり、三越の前で見つけた時は、驚いた。それが今では探す人もなくなり、運河には自転車が捨ててある。きれいだとおもっていた兵庫運河も実はまだまだ汚れているのだ。


  兵庫運河をアコヤガイの浄化能力のチカラを借りて、きれいにしようと言う取り組みに参加した。子どもとアコヤガイのネットを引き上げて、貝を掃除してやる、そうするとまた元気になる。そして運河もきれいになっていく。そんな作業を半年した。もう冬なので海水温低下には弱いアコヤガイを引き上げて、真珠をとるため殺してしまう。


  昨年は夏の猛暑などで自然環境がアコヤガイには悪い状況であまりアコヤガイも成長しなかったと。それが今年は自然にもめぐまれたのか、大きなアコヤガイが400近くも育った。子どもたちの目も輝いているのがみている親としては嬉しい。そしてこのプロジェクトに力を貸してくださっている大月真珠さん、小学生の弟妹を見守る兵庫工業高校の高校生、そして関係者のみなさんに感謝なのだ。


「とーちゃん、ボクの黒い大きな真珠や。あかんなぁ」いや、それキットかーちゃん喜ぶとおもう。「でもおかあさん、ピンクの大きな真珠がええって」
2011.11.27記@兵庫運河  Enya「Less Than A Pearl」を聴きながら。



真珠がみじかな運河で育つことに、子どもの不思議はつづく、、自然のチカラ、そして人のおもいと力。

今年も子どもとともに歳時記2011年
「自然のチカラ、そして人のおもい」力まずに|@兵庫運河2011.11.27
「走る愉しさ」自転車に乗って|@サイクリングフェス兵庫2011.11.13
「日だまりの中の幸せ」青い鳥|@明石公園野鳥観察2011.11.12
「ふつうは幸せに」プロのあるべき姿|@昭和の須磨の浜2011.10.25
「自分の頭を頼りに」いきるってこと|@JT将棋日本シリーズ大阪2011.10.1
「爺ちゃんは海の人」生きるおもい|@海上自衛隊2011.9.24
「協力してこそ」生きるって、こと|@須磨の海2011.9.8
「人はなにができるのか」人を看る|@四国四万十川2011.8.23
「だれのための、自分ですか」祈るおもひ|@広島原爆ドーム2011.8.6
「あの人は元気だろうか」祈るおもひ|@KOBE長田商店街2011.7.8
「あの人のおかげで」魂よ安らかに|@KOBE兵庫大仏2011.6.25
「待ってる人がいてくれる」魂よ安らかに|@深雪山2011.5.23
「これ以上がんばらんでいいよ」魂よ安らかに|@KOBEポートタワー2011.5.11
「不言実行よ、リーダーは」甦るぞ東北|@甦るぞ東北2011.4.12
「一緒に歩んでいきましょうょ」|@水上勉『櫻守』の清水の桜2011.4.10
「たのむでぇ、リーダーよぉ」ふんばろう東北|@播但線2011.4.2
「がんばらんでええんです」ふんばろう東北|@甦るぞ東北2011.3.11
「役にたってるんや」はやぶさ|@小惑星探査機はやぶさ2011.1.29
「だいじょうぶ」先生のことば|@KOBE縁日2011.1.18
「ひとりじゃない」震災の日のながた|@震災の日の長田2011.1.17
「うしろ暗いは鬼のえじき」|@妙法寺追儺式2011.1.3

子どもとともに良き日に。2010年 
歳時記リスト2010


子どもと歳時記。 2009年 
歳時記リスト2009

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