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 2011年8月6日はれ。元気に子どもが、キャンプへとでかけて行った。 「今日は原爆の日やなぁ」と。たまたまじいちゃんは南方の海にいた。二度も船を沈されたけど、中国漁船に助けられ一命をとりとめた。機銃掃射され、けがをした仲間たちはサメに食べられたりするなかでやでぇ。


  日本に帰ると、広島は焼け野原。そん時の気持ちは、悔しかったやろなぁ。そして広島にいた兄妹、友は生きられんかった。広島、長崎の人は、みなそうや。おじいちゃんの親友は長崎の人やで、放射能や原爆のこと話すことができたんやろなぁ。


  たまたま、や。地震が起きた時、父さんは外国に居て神戸にいなかった。今こうして生きていられるなて、たまたま。だれかが生かせてくれてんのや。お役所の被災証明書なんて、なんのいきるかてにならん。たよりになるのは、実は見えへんひとたちやと父さんはおもう。


「守ってくれとんかぁ? 」そやなぁ。それは、じいちゃんの妹さんかもしれん。ばあちゃんのお兄さんかもしれん。ありがたいこっちゃ。戦争は悪い事やけど、それは大事な人の住む故郷を守るためにじいちゃんは戦争に行ったんやで。 そして敵のおぼれてる船員を助けた中国の人だっている。


  じいちゃんを助け、かくまってくれてたんやで。世の中、敵やとおもってる人のなかにも味方はいる。善い悪いなんて、簡単には決められへん。この故郷や僕たち先祖を助けてくれた人に感謝せんとなぁ。


  お父さんは子どもの頃、ばあちゃんひとりしかおれへんかった。お前には、じいちゃんふたり、ばあちゃんふたりもおる。幸せなこっちゃ、それにも感謝せんとな。


「いや、ボクにはじいちゃん、もっとたくさんおるで。将棋教えてくれはる荻野さんに、太鼓の山中さん。あ、おっちゃんやなぁ」 そやなぁ、それが幸せや。たまたま、今こうして元気なだけで幸せや。父さん、入院してよぉおわかったわ。感謝して未来だけみてたらええ。 2011.8.6 綾戸智絵「When The World Turns Blue」を聴きながら。
 



 原爆が落ちた日、それから三輪車で遊べなくなった子どもがいる。おなじことが今、福島で起こってしまった、その責任は。禍根をまた次の世代に残していくのですか。

今年も子どもとともに歳時記2011年
「自然のチカラ、そして人のおもい」力まずに|@兵庫運河2011.11.27
「走る愉しさ」自転車に乗って|@サイクリングフェス兵庫2011.11.13
「日だまりの中の幸せ」青い鳥|@明石公園野鳥観察2011.11.12
「ふつうは幸せに」プロのあるべき姿|@昭和の須磨の浜2011.10.25
「自分の頭を頼りに」いきるってこと|@JT将棋日本シリーズ大阪2011.10.1
「爺ちゃんは海の人」生きるおもい|@海上自衛隊2011.9.24
「協力してこそ」生きるって、こと|@須磨の海2011.9.8
「人はなにができるのか」人を看る|@四国四万十川2011.8.23
「だれのための、自分ですか」祈るおもひ|@広島原爆ドーム2011.8.6
「あの人は元気だろうか」祈るおもひ|@KOBE長田商店街2011.7.8
「あの人のおかげで」魂よ安らかに|@KOBE兵庫大仏2011.6.25
「待ってる人がいてくれる」魂よ安らかに|@深雪山2011.5.23
「これ以上がんばらんでいいよ」魂よ安らかに|@KOBEポートタワー2011.5.11
「不言実行よ、リーダーは」甦るぞ東北|@甦るぞ東北2011.4.12
「一緒に歩んでいきましょうょ」|@水上勉『櫻守』の清水の桜2011.4.10
「たのむでぇ、リーダーよぉ」ふんばろう東北|@播但線2011.4.2
「がんばらんでええんです」ふんばろう東北|@甦るぞ東北2011.3.11
「役にたってるんや」はやぶさ|@小惑星探査機はやぶさ2011.1.29
「だいじょうぶ」先生のことば|@KOBE縁日2011.1.18
「ひとりじゃない」震災の日のながた|@震災の日の長田2011.1.17
「うしろ暗いは鬼のえじき」|@妙法寺追儺式2011.1.3

子どもとともに良き日に。2010年 
歳時記リスト2010


子どもと歳時記。 2009年 
歳時記リスト2009

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