(C)Copyright Mac Fukuda2009


 自転車に乗れるようになり、走るのが嬉しくてたまらない息子。そして高校時代ロードレーサーで走りまわって私。「そうだ京都を走ろう」と、京都嵐山でレンタサイクルを借りて桂川沿いポタリングを企てた。阪急特急は桂に停まるようになり便利になり、嵐山へも便利。途中新幹線と並走する阪急京都線は鉄ちゃんでもある息子は大好きだ。ただいつも新幹線が走り去ってくれるとは限らなないが。「わぁレールスターや、今日は縁起がええで」「なんで」「かっこええのはレッドスター赤星さん、ロードスターぽち号、レールスター乗りたいなぁ」「ほうか」

 快晴の皐月日和、嵐山はごちゃまんと人が居る。「京都をきれいに」と勇士が桂川をきれいにしているかと思えば、そのヨコではバーベキューを楽しむグループ、ちゃんとゴミは持ち帰るのかねぇといらん心配しながらまずは自転車を借りに。「子どもの自転車なんて貸してくれるん?」と。駅前のレンタサイクル屋さんにはなく心配そうに聞く。「ある。なかったら仕方ない、川遊び。こんないいお天気、お船乗るんや。京都人の常識や、雅やなぁ」。2軒目でやっとおめあての子ども自転車があり「あるなぁ、父ちゃんの言うとおりや」と素直に喜ぶ。とーちゃんは学生時代を思い出し、ボートの方が良かったのだけれど。

 渡月橋から青春している人たちを横目に自転車道路へ。桂川は嵐山から木津まで45キロの自転車道路が整備されていて、自転車初心者にもおすすめのコース。しかも道草にも良い環境ときている。自転車と人の専用道路だもんで、真剣に走っているマラソンランナーや足腰鍛えるための青春している高齢者をよけながら自転車で走る。私たちのよこを、川風が吹き抜ける。そうかと思うとロードレーサーが駆け抜けた。あぁ、青春時代あほみたいに私も風になった気分で走っていたのだ。同志社大学の自転車部の人とも仲良くなったりしたよなぁ、京都は年とらん町やねぇ、ええなぁ。青春の町やなぁ。

 息子はもう自転車が楽しくて、おもしろそうに蛇行しながら風になった気分だ。そうだよな、はじめて自転車に乗れた時、あの感動はなんだったんだろう。視界がちがったし、そのスピード感も子どもながら男心をくすぐった。自分の視線のだいぶ向こうの景色まであっという間に自転車なら連れて行ってくれる。これがええんやね。目線の向こうは歩くと、一時間はかかる。だけど、自転車ならすぐだ。嵐山から松尾の阪急電車ひと駅分なんて、あっと言う間。「えっ、もう駅についた。早いな自転車」と喜ぶ息子。「自転車はおもろい乗り物や」

「もう松尾やなぁ、松尾大社お参りして安全祈願やなぁ。その後あのフルーツサンド食べよ」そう言って道草。松尾大社は水の神さんで、山吹がこの時期咲く。山吹の黄色い姿はもう無くて、青葉がまぶしい境内だった。参道前の美味しいフルーツサンドがあるお店「フルーツパーラー橙」は、満員状態。その大半の大学生らしいグループは「単純な恋愛番組にはしたくないよなぁ」「そのために学内アンケートを取ったんやから。それをDJの合間にはさんで」「ちゃんとした意見を〜」どっかで聞いたような話しやなぁ。そうそう、学生時代喫茶店トップでそんな偉そうな事言いながら、新入生歓迎のイベントのこと考えてた。と言う事はこの大学生たち、放送部?青春やねぇ、なんだかタイムスリップしてしまった。喫茶店文化は京都では健在なのだ。

 きょうびの大学生が、純喫茶みたいな店でフルーツサンド食べながら、新歓番組の打ち合わせしてるのヨコで聞いていて不思議な感じがした。そんなんメールのやりとりで終わりそうやん、それに喫茶店で8人で群れないだろうと、それが今の学生やとおっさんは思てた。むすっとした格好の大学生がひとりいて、偉そうに言っている私のような奴を時折たしなむように見る。こいつは絶対に技術の人間やね、脇田君と一緒やなぁ。そう言えば、とよのりさん脇田、三人でこのへん取材したなぁ。会計はしっかり滑舌できてる女の子が、全員の分をまとめてる、川合さんみたいやなぁ。「青春してるよね、きみたち」と思わず言ってしまいそうになった。

 早い昼ご飯?のサンドウィッチを食べたあと、「自転車道ばかりじゃ練習にならないから」と一般 道へ。鈴虫寺から苔寺の奥の道がええからと、住宅街のなかを走らせてもらう。鈴虫寺はひとが鈴なり状態、お寺のまえの売店のお嬢さんに「おくに自転車駐車場ありすよ」と声をかけてもらったけれど、その人の多さに圧倒されて、通 り過ぎるだけに。苔寺から桂川の自転車道に戻る道すがら、大きな椋の樹をみつけて記念撮影。大きな樹がすきな親子は、大喜び。

「なかなか川見えへん。道まちがえたかなぁ」そう言う息子に「いつかはぶち当る」とええかげんな父。すると29の看板が。宅急便クロネコさんのよこにある温度表示がすごい数字。「29度もあるでぇ、たいへんや」と息子。「そやなぁ暑いなぁ、どうりで。水辺は涼しいと決まっとる、早よ川走ろ」そう言いながら桂川沿いの自転車道路を親子ふたりが疾走する。川べりの広場では少年野球がさかんに行われている。阪急桂駅を過ぎ、ここまで道草あわせて10キロくらい。

「疲れたか?」「すぐやったなぁ、まだまだ走れる」そうは言っても、まだ自転車初心者のポタリング。ここから先は樹木もすくなく日陰なしの炎天下状態。引き返して、嵐山に戻ることに。「もう30度になってるでぇ」気温看板は確かに30度。「京都は盆地やから暑いなぁ。もう夏や、それに風も吹かん」「川は涼しいのとちゃうぅん?」「涼しいと思えば涼しい、でも30度。雅とはやせがまんや」

 渡月橋下の中州で縁台に座りかき氷。
「ほら涼しいやろ」
2009.5.10記




子どもとともに良き日に。歳時記


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