世界遺産でもある重要なグスクに咲く
琉球寒緋桜

                

沖縄の世界遺産・今帰仁城(なきじんグスク)跡

 2000年は不況もあり桜の撮影をする貯えも無かった。しかし20世紀最後の年なんてコピーで1999年暮れから居ても立ってもいられなくなった。日本で一番早く咲くさくら、寒緋桜。それを観たい、と言うことで何とか安く沖縄に行く方法は、と考えた。そしたらJALのマイレージサービスで無料チケットがもらえることを思いだした。運がいいことに沖縄往復のマイレージで石垣島まで行けるキャンペーン中。行きたかっあの町並みの竹富島やサキシマスオウノキの巨木がある西表島も行ってしまおう。「あーぁ、日本航空ありがとさん」なのだ。と言うことでユースホステル代だけの沖縄、八重山諸島ツアーとなった。石垣のユースでは小学生の子どもさんを連れた親父さんと同室、一緒に近所の食堂へ美味いチャンプルーを食べに出かけた。ユースはその名前から20歳くらいまでの施設と思いがちな人が大半だが、私のようなおっちゃんやわが子と一緒の親父さんにも出会う。彼らはこれから与那国・波照間島をめざすという。親子で日本のはてを体験する、うらやましいなぁ。子どもさんは一生日本の南のはてを親父さんと行った想い出はわすれんのやろなぁ・・そんな話しをしながら食べたチャンプールの味が忘れられない。旅はこんな出会いが嬉しく、また記憶に残る。チャンプルーを食べたあとユースへ帰る道すがら寒緋桜が咲いていた。石垣沖縄への旅を思いだすたびに、あの親子を思いだす。
  標高100メートルの山手に海に向かって建てられたのであろう城塞に、その桜はあった。グスクとは城のこと。グスクの意味は「石垣で囲まれた聖なる空間」という説があり、沖縄には200を超えるグスクがある。琉球のグスクは12世紀から16世紀に各地の集落を基盤とした豪族が建てた城で、15世紀には北山・中山・南山の三つの王国にまとめられ、それが1429年琉球王国として統一された。西は起伏に富む地形で東は断崖絶壁と志慶真川に守られ天然の城、今帰仁城(13世紀末から17世紀まで機能していたらしい)。古生期の石灰岩を野面 積みで積み上げた城壁は1.5キロにわたって続き豪快そのもの。この今帰仁グスクの世界遺産への登録を地元は推進しているという。(2001年世界遺産に登録される、日本で11番目グスクの なかでも今帰仁グスクは保存状態もよく美しい城址だ。ここから沖縄の青い海へと続く城壁の黒と青のコントラストは素晴らしい。 その今帰仁グスクには春になると日本で一番早い桜が咲く。春と言っても本土ではまだ正月気分の抜けきらない寒い1月だ。旧暦で言えばちょうどお正月という、めでたい時期に咲く桜だ。沖縄では1月も暖かい、もちろんストーブなんて要らない。ただ、最近沖縄で雪が局地的に降ったという事件があり話題になったそうだが・・
  平郎門の入り口を入ると写真の琉球寒緋桜が目に入る。よくよく見ると桃の花も一緒に咲いている。こちら桃の花の方が本土から来た人間には桜の花らしい。平安時代までの花見と言えば梅や桃の花だった、それほど梅や桃の花も素晴らしい。寒緋桜は紅色が強くて、本土の人には梅の花のようにも思えてしまう。寒緋桜のおもしろいのは桜前線が北から南にさがることだ。桜前線の基本木は本土ではソメイヨシの桜だが、沖縄ではこの寒緋桜だ。北海道では蝦夷山桜や千島桜が桜前線の桜となる。この桜前線は本土では南から北、暖かい地域から寒い地域へと北上するのだが、沖縄の寒緋桜では南下する。
「寒い風が海から1週間ほど続くと、その後いっせいに寒緋桜のはなが膨らみだすのです。そして暖かくなった瞬間ぱぁっーと咲くのです。今年は寒い日と暑い日が交互にあり気候の変化が激しすぎて咲き遅れた桜もあります。それに秋の台風でに桜の葉が散らされて、咲く時期を間違った木もあります。でもその分長く楽しめますね」と城事務所の石川利江子さん。桜は年によって咲き方が本当に違う。それによって地方によっては農作物の付きを占ったりする。沖縄の桜をめでて、また新たにその地方ごとに桜があり四季の春があるという思いを強くした。
 あなたも21世紀記念の桜をどこかで見つけてみませんか。 きっとすばらしい桜が咲いているはず。
*このページの製作年は2000年、データ内容は当時のものです*

 

 

撮影は2000年1月30日
場所 
沖縄県国頭郡今帰仁村今泊
交通
飛行機で那覇空港から、レンタカーかバス。
那覇市バスターミナルから名護市には
20系統の嘉手納経由西廻りで約2時間と
21・77系統の普天間経由東廻りで約2時間半。
 
名護市バスターミナルから65系統で45分、
今帰仁城入り口よりとほ城を登ること20分
問い合わせ先 
今帰仁村歴史文化センター0980-56-5767 

沖縄のほかの桜
1.本部町八重岳の寒緋桜 2.名護グスクの寒緋桜

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