「北野が梅なら、平野は桜」

洛中北野の平野神社の桜

 「北野(神社)が梅なら、平野(神社)は桜」 と言われるほどの京都の桜の名所平野神社。北野神社と平野神社は歩いて行けるほどの近い距離だ。

  夜桜と言えば平野神社と呼ばれるほどの、お花見の名所でもある。平野神社の桜の特長は、ソメイヨシノも多いのだが桜の品種が多いこと。八重咲きの桜・里桜などはソメイヨシノよりも咲くのが遅い。そのために花期がながくお花見期間が長いのだ。4月はじめに彼女の都合がつかずにお花見出来なくても、大丈夫。昨今はお花見といえばアホのひとつ覚えのように「ソメイヨシノ」の桜ばかりで、そんなのは江戸のみなさんにまかせはったら。京都では桜といえば何種類もあるんですよ、それぞれの桜をめでるのがまた文化というもんとちゃいますやろか。


  平安遷都(794年)の際に桓武天皇が大和の国より移したと伝えられる平野神社は、比翼春日造りの本殿を誇る古い社。代々朝廷の崇敬があつく、平家をはじめ武士の氏神としても信仰を集めていた。桜のはじまりは応仁の乱のために荒れ果 てた平野神社が、江戸時代寛永年間に再興された際、境内に当時の神主西洞院時慶が桜を植えてからだと言われている。安政年間には嵐山、御室、祇園、醍醐とならんで夜桜の平野として、京都のお花見の名所として有名になった。

  現在も 40種近く、約500本もの桜がある。早いもので3月中旬にサクランボのような大きな実がなる桃桜が咲き、そのあと直ぐにさきがけ桜が咲く、遅い桜で4月20日頃から咲きはじめると言った具合だ。

  平野神社からはじまった品種もある。つまり元祖だ。特有の品種は寝覚(ねざめ)桜、衣笠(きぬ がさ)桜、 平野妹背(ひらのいもせ)桜、手弱女(たおやめ)桜、 突葉根(つくばね)桜でここがルーツとされている。観賞価値が高いので、各地で栽培されるようになったそうだ。確かに見るには華やかでよろしい。このほかにも魁(さきがけ)桜、 胡蝶(こちょう)桜、 虎の尾(とらのお)桜、御衣黄(ぎょういこう)桜、 松月(しょうげつ)桜など見るべき桜が多い。桜好きなら、ついつい長居をしてしまう場所だ。枝垂れ桜の美しいものも咲いている。こちらはソメイヨシノとほぼ同時期に咲く。毎年4月10日には桜祭りが開かれ、花山車(はなだし)などが見れる神幸祭行列が行われる。 4月はじめ から 4月20日 頃までは境内に屋台が並び、夜桜も気軽に楽しめる。よく京都には行くが、ここは京都でも人が少ないと思う。安産祈願の神社わら天神もこのエリアにあるので、ぜひ訪れて欲しい。

*このページの製作年は1996年、データ内容は当時のものです*

 

 


撮影は1995年4月13日
場所
京都府京都市北区平野宮本町1
交通
JR京都駅から市バスで、衣笠校前下車とほすぐ
問い合わせ先
平野神社075-461-4450

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