(C)Copyright Mac Fukuda2013




 紅葉は日本全国どこででも見られ、全国に紅葉の名所がある。そんな中でも私が好きなのは北海道大雪山系の紅葉だ。紅葉は関西では11月から低地部では12月まで見られるが、この北海道大雪山の紅葉は9月下旬くらいなのだ。だから11月の花ごよみには、現実的には合わないが、それでも私が好きな紅葉は北海道大雪山なのであえてここをご紹介する。


  私の住む神戸の紅葉の名所と言えば六甲山系だ。その美しい紅葉を見に行こうとすると少々歩いてもらわないといけない。プロセスカットの世の中になり、歩かない人が多くなり「山なんて登るの?!六甲山ならクルマで登ればイイじゃん」と言う人ばかり。本当の紅葉を楽しむとは、あのサクサクとした音をたてながら、落ち葉の中を木々の色を見上げて楽しむ。それが最高のもみじしているな、と私は思うのだが。大雪山の紅葉はナナカマドの赤とダケカンバ、ミネカエデの黄色が主役で、本土の紅葉のモミジの赤とイチョウの黄色とはまた趣が少し違う。  


  紅葉と言うが紅色だけが紅葉ではない。落葉広葉樹の森なら、みんな紅葉する。その中のイチョウなどの木々の黄色い色づきもまた素晴らしい。この点は赤の好きな人と黄色の好きな人で別れる。しかし、今の流行は赤く色づくカエデなどの紅葉が広告的で、駅に貼られる京都の秋のポスターなどはこれでもか、というくらい赤あかとしらじらしいのが、私の美的感覚をさかなでする。秋はそれでなくても人恋しく、なにかしら淋しい思いがつきまとう。私は赤く色づくのが何かしらセツナク感じるので、こんな黄色い色づきが好きだ。黄色は元気がでる色だ。人に「なぜ写真で紅葉を見ると、あんなにも赤い赤い色なの?」と聞かれたことがある。確かに写真家は最高の瞬間を、とその赤が一番イイ時期に何度も足を運んだりして撮影する。それと光の反射を除去して、例えばその紅葉の葉の色を反射光を取り除くことでよりきわだたせたりするし、また赤を強調するフィルターを使ったりする。


 人の目で観るのと、写真では違うこともこうして起こる。また、いまではコンピュータ処理で現実の写真は青い葉だが、それ紅葉にしてしまう事なんてできてしまう。バーチャルといわれる仮想の紅葉だが、それがほんものなのかニセモノなのかを、見極める目がないと大変なことになる。そのためには少々苦労をしてもほんものをたくさん見ておかなくてはいけない。コンピュータの中でなんでも見れるが、実はほんものを見ているわけではない。


 なんで紅葉と言うか、秋に葉が赤く色づくのは日本、北アメリカなどに限られていて、ヨーロッパなどでは黄色い葉ばかり。黄色い葉ばかりだと、これまた絵にはなりにくい。赤があってこそ、また黄葉と違い赤い葉はその赤が最高の時は限られている。そのため紅葉狩りなんて言葉が生まれたのではないだろうか。そして知らず知らずのうちに、その紅葉も散り、冬景色へと私たちを誘い込む。その瞬間もステキだ。同じ場所から一週間おいた10月10日に撮影したものと比べてみて欲しい。北海道の最高峰・旭岳2290メートルの山頂はすっかり雪に覆われてしまった。そして木々の色合いも無くなり、これが同じ場所?と言うくらい変わっている。こんな変化を体験できるのは四季のあるおかげ。温暖化でその四季も危うくなっていると聞くと、新世紀はそんな事からまず考えなくてはいけないのか。


  撮影は大雪山系最高峰旭岳をのぞむ紅葉1994年10月3日(上の写真),2002年9月25日(下の写 真) 場所北海道大雪山  交通飛行機で旭川空港へ、そこからレンタカーなど、もちろん山に登るには徒歩 
※初掲載1998年10月 、データは当時のものです

 

先月10月の花はノジギク来月12月の花はサザンカ
桜のウェッブ花見をどうぞ サクラノ咲ク美シキ國ガアッタ

ホームページ最初へ戻る

本ホームページに掲載の文章・画像・写 真等すべてのコンテンツの
無断複写・転載を禁じます。ご感想などはメールにて。
2013年8月24日 変更

©Mac Fukuda1997